必要に応じて書いておくべきこと(独立ユニット)

ここで挙げたものは必ずしも書かなくてもかまわないのですが、状況や思惑に応じて書いておいた方がいいこともあります。本文で何を言うかとは関係なく存在しうるので、ここでは独立ユニットといいますが、これについて説明します。

なお、独立ユニット4の回答期限の設定のみ、お金の請求をする場合には必須です。

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標題

別にいりません。いきなり本文に入って構いません。

強いてつけるならば、一番汎用性が高いのは『通知書』あるいは『通告書』です。金銭の支払いを求める場合は、『催告書』でも構いません。給料未払い事案では、請求書とはあまり言わないと思います。このユニットをつける場合には、もちろん文書の冒頭におきます。

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肩書き

ほかの本やウェブサイトの内容証明の記載例には、差出人を『催告人』名宛人を『被催告人』などと、肩書をつけているものもあります。

別にいりません。つける意味もとくにありません。宛名に『殿』『様』『御中』がついていれば誰が名宛人かわかるからです。

強いてつけたければつけてもよいのですが、この場合は、封筒にも同じように書かなければなりません。

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時候のあいさつ(頭語・結語)

別にいりませんが、発送する人の思惑によってはつけることもあります。

具体的には、意図的に印象を柔らかくしたい場合です。
あるいは思い切り皮肉を効かせたい場合かもしれませんが、発想として推奨できません。こうした不健全な発想をする素人が相手方との関係を破壊したあとに筆者が代理人として介入を試みる際、内容証明を用いずに働きかける場合には用いることがあります。

これらをつける場合には、通常の手紙の書き方に沿います。

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回答期限の設定

お金の請求の場合には、必須です。『上記の金員を、本状到着より3日以内にお支払いください』というように書きます。なお、支払期限に関して、あまり長い回答期限を設定することはすすめません。3日〜1週間で十分です。金がないならいくら待ってもムダですし、支払う気がないならさっさと次の手を考えなければなりませんから。

むしろ回答期限を長く設定するくらいなら、分割払いの提案でもしてみたほうがまだ相手が乗ってくる可能性が高いでしょう。

このユニットは、本文の最後、その後の措置について記載するユニットの前につけます。

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その後の措置

相手がこちらの要求に従わなかった場合に、こちらがとる対抗措置のご案内、です。

必須ではありません。相手の感情を損ねたくない場合にはつけないことをおすすめします。
確実にやる気があるなら、はっきり言っておくこともよいです。いくつか例を示します。
賃金等の請求で、『万一期限内にお支払いがない場合には、』という言葉に続けてみます。

『法的措置をとらざるを得ません』
わりと穏便です。内容証明の結びとして、ふつうですね。

『提訴します。』
簡潔かつやる気満々です。訴える準備ができている場合にのみおすすめします。言ったとおりにやらないと、敵に舐められるだけです。

『所轄労働基準監督署に本件事案を申告し、今後予告なく法的措置をとることがあります』
これもあり、です。いつどこから叩かれてもおどろかないでよね、あなたが悪いんだから、ということです。筆者はこれに似た文言を使って、敵から支払いを認める発言を引っ張り出すことができたことがあります。これからとるべき対抗措置を少しだけ詳しく説明して、敵に翻意を促したかったわけです。

『県○○書士会に通知します』
これも実際使って効果があった例です。雇い主が○○書士で賃金不払い発生、という事案への反撃です。上部団体に知らせてメンツをつぶすよ、ということですが、○○書士には一般的な法令遵守義務があります。ですので労基法に違反することは、それ自体で最悪の場合懲戒事由になることをふまえてのものでもあります。

メンツを重んじる相手には大きな効力を発揮しますが、業界団体のない業種では使えませんね。

このユニットは、本文の最後につけます。

これらは一般的な案に過ぎません。具体的な相談を当事務所に持ち込まれた方には、相手の個性に応じてさらに別の表現や選択肢を推奨することもあります。

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Last Updated : 2013-07-09  Copyright © 2013 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.