目次これは債権差押命令申立書を自分で作るためのコンテンツです
- 目次・債権差押命令申立の参考文献
- 債務名義とは・強制執行とは
- 仮差し押さえ(仮差押)について
- 書式を探す前に調べておくこと
- 債務名義以外に必要な書類
- ここまでのチェック
- 差し押さえる財産・時期について
- 債権差押命令申立の流れ
- 申立前の準備
- 申立書類作成
- その他の書類(申立書提出時)
- その他の書類(取り立て・取り下げ時)
- 転付命令申立について
- 申し立て後に送られてくる書類
- その他の書類(申立準備)
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生命保険の解約返戻金
養育費の支払いを求めるときに検討する債権です。もともと結婚していた、そして子供ができた、というライフイベントをきっかけに保険に入られる方は多いので、元配偶者が加入していた生命保険の内容を依頼人が知っていてくれることを期待できるためです。このほか、会社の経理を担当していて福利厚生あるいは節税対策の一環として、債務者会社の保険加入状況を知っている労働者から相談を受けたときにも検討することがあります。
ここでは保険事故が発生したときに支払われるお金=保険金ではなく、解約返戻金の返還請求権を考えています。死亡や病気の発生などの保険事故はなかなか債権者が把握できるタイミングでは起きません。このため、ここでは掛け捨て型の保険についてはこのコンテンツでは申し立ての対象と考えないことにします。離婚後の元配偶者が相手である場合、死亡という情報が子供たちに伝わってくることはありますから、この場合だけは掛け捨て型の保険から払われる保険金への差し押さえも迅速に検討すべきでしょう。
貯蓄型の生命保険や個人年金保険の契約がある場合には、解約返戻金に対する差し押さえは債権回収より債務者との交渉に向きます。これに差し押さえをかけても、債務者は誰かに対してメンツが潰れることはないし、債務者の経済的状況がいきなり悪化することもありません。場合によっては差し押さえの取り下げ後、生命保険契約に質権を設定して担保にとり、後々の債権回収を確実にする、ということもあります。むしろそうしておかないと、差し押さえを嫌った債務者に保険を解約されかねません。
つまり、個人の債務者に対するわりと穏便な解決に向く債権です。