事務所を●件、変えてきました慎重に対応したくなる相談類型です
複数の事務所の法律相談や労働相談を利用して来られる方は、当事務所でもよくおられます。むしろ推奨しています。
問題がある、と思ってしまうのは進行中の事件で代理人弁護士を解任して本人訴訟に切り替える場合です。
よほど運が悪ければ、本当に代理人の側だけに問題があったということもあるでしょう。調査の結果、その弁護士が懲戒処分を何度も受けていたり、依頼人たちからの預り金を返さずに死亡し、調べてみたら債務超過で破産状態だったという人もいました。
しかし、依頼の途中で代理人を解任する・辞任される依頼人の側にも問題があることが多いと筆者は考えています。ですから相談時に従前の弁護士を解任した理由はなにか必ず聞いていますし、それに対して正確な回答をくれない方からの依頼にはかなり慎重になります。
特に、着手金を払って委任した弁護士代理人の場合、着手金を全額返して辞任されることは必ずしも依頼人側が正しいことを意味しません。むしろ、弁護士側で「もらったお金は全部突っ返しても、もうこいつの仕事はしたくない!」と思わせる何かがあった可能性もあると筆者は考えています。
相談に来た人にこうした印象を持つのは他事務所でも同様だと思います。大部分の事務所は、事件の途中で代理人を解任してきた依頼人を歓迎しません。少なくとも一歩引いた対応を取るでしょう。
だからといってそうした経緯を隠すのは最悪なので、なぜ代理人を変えたのかは相談の時点でちゃんと説明することを強くおすすめします。