労働相談業務 > よりよい労働相談のために(目次) >こんな相談者はダメ > わたし、法律知ってます

わたし、法律知ってますという発言自体が無駄ですが

知識を得るために労働相談に来ているはずなのに、労働者側からそう言われても困ります。

法学部卒だから・行政書士の資格を持ってるから・司法書士事務所で働いていたから・労組の相談員だったから…その知識と立場を尊重しろ、ということなのでしょうが、こういうことにこだわる方の知識が労働相談時に役立っていたことがありません。

相談中にある専門分野の話をするとき、相手が専門用語の詳細な説明を省略できるように、ご自分がその分野に関連する職歴や資格を持っていると告げるのは有用です。相手がそのレベルにあわせてくれれば、相談が早く進みます。

では司法書士事務所の元補助者だったり法学部大学院を出ていたりすることが労働相談に役立つかと言えば、もう全然役立ちません。むしろそうした自慢話をお聞きするだけ時間の無駄です。

おそらく、相談にあたって何かプライドのようなものを守るために「自分には知識がある」ということにしておきたいということなのでしょうが、ならば最後まで自分で知識を集めて対処すればよいのです。たいていの場合、相談を進めていく過程でご自分の知識に不足があることはわかってもらえるので、こちらがしばらく我慢すればよいのかもしれません。当事務所の2時間の相談ならそうした余裕もありますが、30分の有料相談で自分の学歴や職歴の自慢話を5分やったら相談時間の約2割をムダにする、と気づかないのがこうした人達の限界です。

一番よくないのはそうした知識をひけらかすために、相談担当者の説明を途中でさえぎってくることです。先回りして結論を口にしようとしているらしいのですが、それが間違っていると思わず笑ってしまいます。したり顔で何度か続けられると、きっとこの人は職場でも空気が読めない人だったんだなと思えてしまいます。

これはまさに限りある相談時間の無駄で、ご自分のためにもなりません。

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Last Updated : 2018-08-10  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.