労働相談業務 > よりよい労働相談のために(目次) >  間違いだらけの事務所選び > とりあえず●●やってみたら

とりあえず●●やってみたら責任は持てないけれど…とりあえず

相談中に、さしあたっての対応のみを助言してそれで終わりにするものです。

労働相談として具体的な助言をしてくれる、という点ではこれまで述べてきた対応よりいいのかもしれません。
実際にはさしたるビジョンもなく何かを「とりあえず」やらせておけ、という内容になっている可能性があり、注意が必要です。

こうしたことを口にしてしまう担当者は、察しが悪いこともあるかもしれません。労働者が欲しい回答や方針をくみ取ることのないまま、その相談担当者が知っている手続きを推奨した、という事例も聞きます。
ご自分が目指すものと食い違ったかたちで何かの手続きが推奨された場合、推奨されたことをすると自分が望む結論にどうたどり着くのか納得できる説明がないかぎり、安易にその助言に従わない方がよいでしょう。別の法律相談でセカンドオピニオンをとることをおすすめします。

もう少しわかりやすい形で依頼を回避されていることもあります。
「とりあえず自分で支払督促を申し立ててみたら?」
「とりあえず自分で少額訴訟起こしてみたら?」
という法律相談担当者もいます。

本人訴訟を勧められるのはあなたがそれをできると思われているからではなく、相談担当者からみてそれを依頼として受けたくないからだ、という可能性があるわけです。

不当解雇事案で通常訴訟の提起を望んだ依頼人のために、弁護士がなぜか労働審判を申し立ててしまったという事例も聞きます。「とりあえず」労働審判やってみた♪というわけではないと信じたいのですが、まず手軽な手続きでなんらか結論を出し、あとは依頼人をその結論に従わせてしまうよう説得する、といった受任方針をとっている可能性なしとしません。通常訴訟を戦い抜いて復職を望む依頼人に、労働審判でいくらかの解決金を取ることにしたからそれでもう手打ちにしろ、というのはどうかと思います。ただ、そうした方針不一致を理由に弁護士を解任し懲戒請求した事例は複数聞きますが、成功した事例は把握していません。

ページトップへ戻る
ページトップへ戻る
Last Updated : 2018-08-10  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.