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いらないお客は、法テラスへ不毛な無料相談の行く末

これは本当に、合い言葉のように用いられていました。

集客・商売に熱心な士業の事務所がウェブサイトや広告で問い合わせを集めるほど、その事務所からみて受けたくない=いらない問い合わせが少なからず含まれるものです。そうした「いらないお客」をどこかにたらい回しして無料相談への回答を終える必要があり(お客さまのためというより、さっさと余所に行ってほしいからです!)、そのはめ込み先の第一候補として挙げられてしまうのが法テラスなのです。

最近では無料電話相談を標榜して問い合わせを集める大規模な弁護士法人のなかに、相談後のたらい回し先を弁護士会の相談センターにしているものもあるようです。

電話での無料労働相談で「当事務所ではお受けできませんが、法テラスを利用されるといいでしょう。電話番号は…」といった対応がすぐに出てきた場合、あなたの質問は主に儲からないからという理由で相手にされていない、と察してください。その事務所では依頼を受けて貰える可能性もほぼないので、あらためてその事務所に有料相談を申し込むのも無駄です。

言い方を変えれればご自分が「捨てられた」と自覚してほしいのですが、これは士業の業界で一般的にあり得ることですのでくよくよする必要はありません。労働紛争の内容に立ち入って勝ち負け等を判断されているわけでもありませんから、引き続き他の事務所を探せばよいでしょう。

いらないお客をたらい回しするような事務所に紹介されたからといって、法テラスや業界団体の相談センターに漫然と連絡するのはかえっておすすめできません。そもそも最初にあなたが問い合わせた商売熱心な事務所は法テラスや業界団体の相談センターをあなたに紹介してくれたのではなく、単にいらない問い合わせだからそこに捨てた、というだけなのです。

仮に善意で紹介された場合でも、前述のとおりこれらの窓口への連絡を経て自分が欲しい回答をだしてくれそうな人に相談を受けてもらうのは難しいため、筆者としては前もって業界団体の相談受付態勢を自分で調べておくことをおすすめします。


筆者はここで「いらないお客」「たらい回し」「捨てる」など、品位に問題がある表現を用いましたが、相談したい側にはほとんど示されない実情であり、しかも厳然と存在していることです。筆者はこれを労働者側に伝えるため、そうした事務所内で使われていた表現をそのまま使って説明しました。

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Last Updated : 2018-08-10  Copyright © 2014 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.