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法廷の入り口までやってきました

開廷表からお目当ての期日が何時から、どこの法廷で開かれるかはわかりましたね。
ところで、世の大部分の訴訟では『傍聴券』は不要です。むしろ傍聴券が必要な訴訟のほうが圧倒的に少ないと考えてください。ですので、あとはその法廷に直接行って中に入ってみればよいことになります。

ここで傍聴の際の注意を説明します。簡単に言えば『しずかにお行儀よくしていなさい』ということになります。具体的には、『法廷傍聴に行こう』資料13のような注意書きが法廷の廊下に掲げられています。うっかり携帯電話を鳴らしたりしないでください。私語も禁止です。最悪の場合、裁判官から退廷を命じられます。また、ファッションなのかもしれませんが帽子をかぶって入るのもどうかと思います。実情はどうあれ、みんなが真剣に何かをしているフォーマルな場、だと思って行動してください。

法廷には複数の入り口があることが多いです。『傍聴人入口』というドアがあれば、必ずそのドアから入るようにしてください。『当事者入口』から入ってはいけません。ドアには小さな覗き窓がついていますので、開いて中の様子を見てみることができます。傍聴席にたくさん人がいる場合がありますが、これは傍聴人というより、自分の訴訟の順番を待っている人であることが多いです。

これらのことがわかっていれば、基本的には期日や尋問の途中で傍聴席に入ったり法廷から出たりしてもかまいません。間違ってもドアをノックしたり誰かに声を掛けたりせず、ただ静かに静かに出入りしてください。もちろん、法廷が開いていれば期日が開かれる前から法廷に入っていてもかまいません。

注意を要する法廷があります。裁判官が和解を勧めている最中に限っては、傍聴人は退廷させられますし入ってはならないという対応が出てくることもありますので、たまたま入った法廷がそうだったなら指示にしたがって退廷してください。裁判所によっては、『調停』『弁論準備』『審判』などの期日も開廷表に書き出してあることもありますが、これらについては制度上、他人の傍聴そのものが不可能です。たまたま中を覗いてみて何かやってるから入れる、というものではありません。あくまで、開廷表に『弁論(第一回弁論および証拠調べ、判決言い渡しを含む)』とある期日のみが傍聴できます。

もう一つは、少額訴訟の法廷です。これは傍聴可能なのですが小さなラウンドテーブルの法廷で開かれることが多く、傍聴席とラウンドテーブルの間もそう間隔がありません。

つまり、途中から知らない人が入ろうとするとひどく目立ちます。制度上はもちろん入廷して傍聴することは可能ですが、裁判官や当事者たちにすごく違和感を与えるのでできれば途中での入廷は避けたいところです。

起立! 礼!

傍聴人はまさに傍聴するだけの人であって、基本的には裁判官からも当事者からも無視されているはずなのですが、法廷内の当事者たちと一緒に行動しなければならない場合が二つあります。

一つは、法廷に裁判官が入ってくるときです。このタイミングにあわせて、傍聴人・原告・被告・書記官・廷吏たちはそれぞれの場所で起立し裁判官に一礼して着席することになっていますので、傍聴席でボーっとしていないでください。

もう一つは、証拠調べにおいて証言者が宣誓書を読み上げるときです。ここでも法廷内の全員が起立して、宣誓の読み上げを聞いたあとで着席します。

上記いずれも、あなただけが知らないとひどく目立つのに裁判所内では誰も説明してくれないものですので、覚えておきましょう。

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Last Updated :2013-06-25  Copyright © 2013 Shintaro Suzuki Scrivener of Law. All Rights Reserved.