遺産相続・相続登記司法書士費用の見積もりを取る・比較するために

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『相続登記』の見積もりと比較のまえに

『相続』という言葉で相続登記の見積もりを探さない方も結構いらっしゃるようです。
『死者名義の登記』とか、『死んだ親 不動産』という検索キーワードで訪れる方が毎日十人以上います。司法書士は相続登記という語を使うので、相続登記を検索語にしてみてください。

この分野の登記には、売買や生前贈与・離婚にはない特徴があります。不動産のもともとの持ち主がすでに死亡しているため、司法書士からみた依頼人は常に『その手続きで権利が得られる人=不動産の相続人』だけになること、総じて緊急性が低いことです。

このため、東京・大阪など大都市では全国どこからでも依頼を受け、依頼人と直接面談をしない方針を採る司法書士事務所が出てきています。不動産登記で不利になる立場の人と司法書士が面談する必要がない(死んでいるからできない)ことは、面談しないで依頼を受けることへの心理的な抵抗を下げるようです。

こうした方針の良し悪しはさておいて、九州に住む人が東京の司法書士に依頼を出すことは不可能ではない、というのが依頼人からみた相続登記見積もり比較の特徴になるでしょう。

筆者の事務所で面談を省略して登記申請を代理するのは、裁判手続の結果に沿った登記や公正役場で委任状が作られているなど、本人確認をし公証作用を持つ機関が申請意思を確認した案件に限っています。

相続登記とは

『誰かが亡くなって、その方の名義になっている不動産を相続人の名義にする所有権移転登記』を、司法書士その他不動産に関わる人は相続登記と言っています。

相続登記でも、近年司法書士事務所間での競争が激しくなってきています。反面、見積もりの提示を受けやすいことにはなっています。依頼経路としてはウェブサイトによる集客のほか、葬祭業者から紹介された司法書士の見積もりを取得される方が増えている印象があります。

だから司法書士報酬が安くなる、というわけでもないようです。
 死んだ客を紹介するからリベートを払え、という勧誘を司法書士にしている葬儀社を、筆者は複数知っています。かんたんなことですが、葬祭業者が依頼人を取り込み、司法書士からキックバックを取れれば業者の収入は増えます。
葬祭業はもともと依頼人を囲い込んで選択肢を奪って価格を上げるビジネスとの親和性が高いのです。医療機関に営業をかけて霊安室から自宅への遺体運搬を請け負う業務がまさにそうですから。相続登記そのものは被相続人の死亡後すぐしなければならないものでもないので、葬祭業者経由で司法書士の見積もりを取ってもかまいませんがあくまで選択肢の一つと考えておいてください。

相続登記の前に

早い方だと四十九日の法要が終わったあたりで相続登記の準備を始められます。
この分野でまず確認しておかなければならないのは、実は相続登記に関することではありません。

財産(遺産)が多い場合は、亡くなられた方(被相続人)について相続税の申告をする必要があるかどうかです。
 財産がない場合は、被相続人について相続放棄の申述をしたほうがいいかどうかです。

相続税の計算では法定相続人の人数によって課税も申告も要しない金額が決まり、平成27年以降に亡くなられた人で相続人が一人いる場合は遺産の総額3600万円まで相続税の課税はありません。自宅の敷地について評価額を大きく減らす特例もあります。
このため、地方都市にある世間並みの家一軒と数百万円の預金を遺産として残して亡くなられたくらいであれば相続税を気にする必要はほぼありません。被相続人が亡くなって数年経ち、もう誰も急いでないような場合にもゆっくり司法書士を探してかまいません。

相続放棄の選択もこちらも見積もり・比較可能です

亡くなられた方(被相続人)に財産がない場合は別の心配をする必要があります。被相続人に借金その他の債務(誰かの債務の保証など)があることが懸念されるなら相続を放棄する手続きがとれるのですが、これは被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内に行うのが原則だからです。

司法書士・弁護士によってはこの依頼を積極的に受けている事務所があります。『相続放棄 費用』で検索するとよいでしょう。なかには熟慮期間である3ヶ月経過後の相続放棄を実現することを売りにしている司法書士事務所もありますが、費用は熟慮期間内の相続放棄より増えるのが一般的です。

では、司法書士への依頼、つまり相続登記の実施を急ぐ必要はなく数ヶ月以内に完了すればよいと仮定して見積もりの取り方の説明を続けましょう。

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