山林の寄付または放棄(本文123ページ)
概要
令和元年末に法務省法制審議会でとりまとめられた『民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案』が公開されています。令和2年末時点では国会に改正案が出されていませんが、この中間試案の内容に沿った改正がなされる可能性が高いものです。
この中間試案では、山林を含む土地の所有権の放棄ができる要件として『(その)土地の権利の帰属に争いがなく筆界が特定されていること』との定めがあります。
相談室から補足
前記の要件により、筆界どころか所在がよくわからない山林を放棄するのは今後も無理、ということになります。地籍調査等施行済みで筆界が特定されていても、死亡した祖父名義の山林をそのまま放棄したい、という意向にはそえません。この場合は、遺産分割協議を終えて『権利の帰属に争いがない』状態を実現しておく必要があるからです。
したがって、面倒な不動産である山林を捨ててしまいたい、という人の希望が満たされることは今後もないと考えてかまいません。