よりよい労働相談のために相談前の準備・士業や役所など、相談先の選び方
はじめにこれは労働相談の準備のための相談です
労働問題で相談が必要な方へ特に、どこかで失敗した方へ
「会社つぶしたい場合はどうすればいいですかぁ?」
このコンテンツ作成のきっかけになった、当事務所へのお尋ねです。
給料未払いへの対応を聞きたかったようですがこれを相談とはいわないでしょう。
筆者もこの匿名での質問には回答する気になれませんでした。
給料未払いや不当解雇など、雇い主との争いについて法律相談をしたい。
役所や士業の事務所に労働問題の相談に行ったが、上手くいかなかった。
でも、どうしたらいいかわからない。
『よりよい労働相談のために』は、そんな人のためのコンテンツです。
労働問題で、いい相談先がないように思えたらそれには理由があります
労働相談を受け付ける役所や士業の事務所には、それぞれ思惑や個性・あるいは限界があります。それらを知って相談に行かないと、的外れな回答しか得られません。当事務所の労働相談には、他の事務所や役所での相談への不満の声がつねに寄せられています。
むしろ労働相談のまえにその準備のための相談が必要なのではないかと、ここ数年は考えています。
実は、この国には常に効果がある労働相談(または、労働紛争を解決するための法律相談)を提供できる相談機関がないようなのです。
筆者の事務所の対処能力にも限界がありますし、15年間労働相談に携わってきた筆者から見ても、お客さまを安心して転送できる相談機関・事務所は見つけることができません。
労働相談を希望する側にも大きな問題があります。
労働者側にも、労働相談の準備が必要です30分の法律相談なら、なおさら重要です
冒頭の質問が来たときには、2秒でそのメールをゴミ箱に送りました。
これで答えが返ってくると思っている人の気がしれません。
ここまでひどくなくても、常識を欠く問いかけ・準備不足過ぎる相談・考え方に共感できない相談者は常にあり、そうした方との労働相談はたいてい効果を挙げられません。
相談中にこうした問題点をはっきり指摘すれば、その方はもう当事務所には来ません(苦笑)
筆者からすると、労働相談に限らず法律相談が効果を上げるには、
- 相談を担当する側の能力や態度が適切で
- 相談を依頼する側の準備や態度が適切で
- 相談することがらが、相談担当者が対応できる範囲に収まっている
これらが必要だと感じています。しかし、労働相談の利用者は相談担当者や制度のことを問題にするばかりで、自分の側にも問題があることはあまり認めたくないようなのです。
依頼人も担当者も人間ですので、労働相談では相性も重要です。仮に運良くその分野での経験が長い人や能力のある人に出会えても、「なんとなく話がしにくい」ために十分に情報が伝えられないことは相談後の対応で失敗の可能性を高めます。
ここからの説明では労働相談を受け付ける側の実情や、相談担当者である筆者からみた労働者側の問題点など双方が表立っては口にしたくないこともお話しします。
そうした問題への対策も含めて、労働者側からの労働相談や給料・残業代・解雇など、さまざまな労働問題に関する法律相談の準備についてお話ししましょう。